日本海、瀬戸内海、響灘と三方を海に囲まれた山口。海から蒸発した水は、やがて空に浮かぶ雲となり、山に雨や雪を降らせます。

中国山地の雄大な山々の、緑豊かな森に降った雨や雪が土にしみわたり、ゆっくりと地中の地層で濾過されます。山縣本店の仕込み水は、中国山地の雄大な山々の地層で、ゆっくりと濾過され、清く澄んだ天然水を使用しています。

瀬戸内の穏やかな気候のもと、夏の太陽の光をしっかりと浴びることで稲が光合成し、酒米が豊かに実ります。

中国山地の雄大な山々や、お米をはぐくむ田んぼに雨が降り、水がたくさんの生き物や植物をはぐくみます。

山口県産にこだわり、酒米の王様とよばれる「山田錦」、山口県独自の酒米「西都の雫」を使っています。中国山地と、三方を海に囲まれた風土ではぐくまれたお米です。「防長鶴（青）純米吟醸無濾過原酒」「防長鶴（青）純米吟醸」は、山口県八代盆地の、ナベヅルが飛来する田んぼで、つると環境にやさしいお米づくりをしている契約農家「つるの里ファーム」（https://www.tsurunosato.or.jp）の山田錦を100％使用してつくっています。

創業当初より、山縣本店は現在の地で、寒い季節に日本酒を仕込む、伝統的な「寒造り」で日本酒をつくっています。日本酒の仕込み蔵は100年前に築造。お酒の出荷をする建屋は、250年前に建てられた江戸時代の芝居小屋を100年前に移築してきました。釘を使わず木を組んで建てた当時の技術に感嘆のため息がもれます。天井を仰ぐと堂々たる木の梁に、背筋が伸びます。

寒い冬が終わって暖かくなると、日本酒の仕込みが終わり、蔵を片付け、道具を丹念に磨いておきます。初夏には収穫したての梅の実が入ってきます。梅を洗うときに梅の香りがたちのぼります。この梅を、蔵でじっくり長期熟成させた米焼酎に漬け込みます。山縣本店の梅酒が「シンプルな味でこくがある」といわれるのは、このこだわりのおかげかもしれません。秋には、堀りたてのさつまいもが入ってきます。さつまいもを蒸して、濃醇な芋焼酎を造ります。一年を通じて、山縣本店には四季折々のかおりがあふれています。